岩倉鍼灸院 あんじゅ の日記
-
脊柱管狭窄症について
2016.04.23
-
この病気も難症です。しかし、鍼灸治療は、この病気に対して、治療成果を上げています。
脊柱管狭窄症とは、脊椎にある脊柱管という神経を囲んでいる管が狭窄する病気です。
脊柱管狭窄症は症状の出る部位によって、「頸部(頚部)脊柱管狭窄症」「腰部脊柱管狭窄症」という2つの分類をすることもできます。
■ 頸部(頚部)脊柱管狭窄症の代表的な症状
・上肢(腕から手指にかけて)に、強い痛みやしびれがある
・腕が重くだるい、あるいは手指に力が入らず、思うように動かせない
■ 腰部脊柱管狭窄症の代表的な症状
・腰が重くて、痛い
・足の痛みやしびれがある
・間欠跛行(かんけつはこう=長時間歩けず、歩いては休み、痛みがおさまったらまた歩くを繰り返す)になる
上記の他、頸部・腰部を問わず、脊椎管の中を通る脊髄や神経根への圧迫の影響により、生活に支障が出るくらいの歩行困難や排尿・排便障害が出ることもあるとされています。
脊柱管狭窄症になりやすい人の特徴を挙げると、次のようになります。
(1)首や腰に負担がかかるスポーツや動作を長期間、続けていた
(2)首や腰を頻繁に曲げたり、ひねったりする動作を継続していた
(3)前かがみや座りっぱなしなど、長時間、同じ姿勢をとる環境にあった
上記のような条件は、首や腰周りの筋肉に血流障害を起こしやすいからです。
発症しやすい年代や性別に関しては下記のとおりです。
・脊柱管狭窄症になるのは50歳~80歳くらいの年代の方が多い
・女性より男性のほうが多い傾向がある
また、脊柱管狭窄症の痛みを引き起こす原因となる飲食物もあります。それは、「冷たいもの」や「甘いもの」です。症状を改善するためには、これらの飲食物を避けることをお勧めします。
脊柱管狭窄症の原因には諸説あり、まだよくわからない部分もあります。
しかし、これは確実に言えるということがあります。
それは、 「脊柱管が狭まっていることが原因である」「脊柱管が圧迫されていることで痛みが発生している」 という脊柱管狭窄症に関する一般的な説明は、誤りだということです。
現実には、脊柱管の狭窄と痛みとの間に、確実な因果関係は認められません。脊柱管狭窄症と判断された方は、皆腰痛の自覚症状があるうえで病院に行き、そこでレントゲンやMRIの画像診断を受けます。その結果、「脊柱管に狭窄がある」と認められるのは事実です。
しかし、狭窄自体が腰・首などの痛みの原因となっているかどうかを、画像から診断することは不可能なのです。
結論を言えば、脊柱管狭窄症の症状が起きている原因は、一般的な腰痛とそれほど変わるものではありません。つまり、腰・首において痛みのある部分に血流障害が起きており、筋肉が硬直していることが、症状を引き起こしている本当の原因と言えます。
筋肉が柔らかい状態を保っていれば、脊柱管狭窄症に特有の症状とされるような痛みは出ないものです。
ただ、誤解していただきたくないのは、「痛み」は決して悪いものではない、という点です。
なぜなら、ケガをしたり、病気になったりして体が悪い状態の時、悪い部分を治そうとして、体はその部分へ血液を送り込んでいく仕組みになっているからです。
集中して大量に血液が流れ込むことにより、炎症や腫れが起きたり、痛みが発生したりするのが、健康な人間の体の正常な反応なのだと覚えておいて下さい。
これは「好転反応」と呼ばれるものです。悪い部分を良くしようとする自己治癒力が働いているので、つらいでしょうが前向きにとらえて、症状改善への努力を進めるようにしましょう。
「脊柱管狭窄症」と診断される、症状のポイントは下記の5つです。
・姿勢が悪くなり、腰が曲がる
・強い腰痛(腰から臀部にかけての痛み)が起こる
・足に痛みやしびれが出る
・足が痛くて歩けない
・歩いては休み、歩いては休み(間欠跛行=かんけつはこう)となる
特徴的なのは、腰痛に似た痛みとしびれ、歩行困難です。中でも、特に特徴的なのは「間欠跛行(かんけつはこう)」と呼ばれる症状。安静時には痛みやしびれはあっても軽いという特徴があります。
脊柱管狭窄症の治療のポイントは、血液循環を良くするという事です。
鍼灸治療は、血液循環を良くして、免疫力を高め、自然治癒力を高めてくれます。
手術をするのも、ひとつの手段です。しかし、鍼灸治療も、ひとつの手段として、考えていただけたらと思います。